A:住所は最初から決まっているのだから、決め方も何もないだろう、正しく記載すればよい、と思われたかもしれません。しかし、住所の表示の仕方をきちんと理解している人はほとんどいません。
まず、基本から。
住所をどのように表示しようと勝手である。
これはどういうことでしょうか?「東京都千代田区大手町1−1−1」という住所があるとしましょう。これ以外ないのではないか、と思われるかもしれません。この場合、会社の本店所在地としては次のような表示が考えられます。
1.東京都千代田区大手町1−1−1
2.東京都千代田区大手町1丁目1−1
3.東京都千代田区大手町1丁目1番−1
4.東京都千代田区大手町1丁目1番1号
5.東京都千代田区大手町一丁目1−1
6.東京都千代田区大手町一丁目1番1号
上記、どれを採用しても登記はできます。法務局から、「この住所の表示は間違いです」と言われることはありません。ではどれを選ぶべきでしょうか?結論から言えばどれでもよいと言っても過言ではありません。
住所というのは、単純に「郵便物のためにある」と考えて構いません。ですから、上記どれかで登記すれば郵便物は届きますから、問題はないと言えるのです。
しかし、法的にはどれが正解なのでしょうか?答えは6番目。一番最後の住所です。
住所の表記方法は住居表示が実施されている地域(都市部)とそうでない地域(郡部)で異なるルールが存在しています。いわゆる都市部であれば、住居表示が実施されています。住居表示が実施されている地域というのは必ず「丁目」がついていますからすぐにわかります。根拠法を示します。「住居表示に関する法律」という法律です。
(住居表示の原則)
第二条 市街地にある住所若しくは居所又は事務所、事業所その他これらに類する施設の所在する場所(以下「住居」という。)を表示するには、都道府県、郡、市(特別区を含む。以下同じ。)、区(地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の二十 の区をいう。)及び町村の名称を冠するほか、次の各号のいずれかの方法によるものとする。
一 街区方式 市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によつて区画した場合におけるその区画された地域(以下「街区」という。)につけられる符号(以下「街区符号」という。)及び当該街区内にある建物その他の工作物につけられる住居表示のための番号(以下「住居番号」という。)を用いて表示する方法をいう。
二 道路方式 市町村内の道路の名称及び当該道路に接し、又は当該道路に通ずる通路を有する建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法をいう。
「住居」表示ですから、建物に対して付けられるわけです。田舎だと建物がない部分が多いので住居表示には適しません。上記では二つ書かれていますが、基本的に「街区方式」になります。街区符号というのは○番にあたる部分、住居番号は最後の数字ですね。
丁目の部分の数字ですが、日本は漢字の国ですから、「三丁目」と書くのが正式。「3丁目」ではありません。
会社本店所在地を登記する場合、正式な住居表示で登記しなければならないという決まりはないので、「1−1−1」と書いても登記は通ります。ただ、私たちのような仕事をしている人から見ると、若干素人っぽく見えることもあります。つまり、「この会社、住居表示を知らないのかな」ということです。迷うのなら法的に正しい表記、つまり「○丁目○番○号」にしておけば問題ありません。こういうところで素人とプロの差が出るとも言えますね。
部屋番号や建物名を入れるべきかどうかですが、これも決まりはありません。「1−1−1−203」で郵便物が届くのなら問題ありません。「1−1−1 ○○ビル203号」としても可です。建物名が入っている方が営業上、お客様に対して親切であるとも言えます。
住居表示が実施されていない地域の住所の決め方については次回説明します。
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