2011年05月28日

設立費用その2(定款認証)

Q:株式会社を設立する場合、定款の認証に費用がかかると聞きました。いくらかかりますか?

A:会社法上の会社を作る場合は、定款(ていかん)というものをまず作成する必要があります。会社の憲法のようなものと考えて下さい。

この定款は作成しただけでは効力がなく、公証役場に持ち込んで、公証人という人に見てもらう必要があります。そこで手数料がかかるわけです。この手続きを「定款認証」と言いますが、この定款の認証が必要なのは株式会社だけです。他の持分会社(合名、合資、合同)の場合、定款は作成しますが、認証は不要です。NPOも同じです。

根拠法を見てみましょう。

(定款の作成)
第二十六条  株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
(以下略)

これが根本的な規定になります。記名押印ですから紙で作るわけですが、パソコンで作成(PDFファイルにします)したファイルに電子的に押印することも可能です(第2項に規定あり)。

次に認証の規定。

(定款の認証)
第三十条  第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。


この規定があるために、認証の手続きが必要になります。認証の意味などについてはあまり深く考える必要はありません。

さて、これからが本題です。認証費用にはいくら必要か、ですが、電子的に行った場合は、次のとおりとなります。

1.認証の手数料 5万円
2.電磁的記録の保存 300円
3.同一の情報の提供 700円(いわゆる謄本と考えて下さい)
4.書面の交付による加算額 1枚20円(実際100円程度)

だいたい52,000円程度あれば足ります。この内訳の意味については知らなくても結構です。一応根拠を見ておきましょう。

公証人手数料令です。覚えなくて結構です。

(定款の認証)
第三十五条  会社法 (平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項 (他の法令において準用する場合を含む。)並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成十八年法律第四十八号)第十三条 及び第百五十五条 の規定による定款の認証についての手数料の額は、五万円とする。


電子的に行わない方法、つまり紙で認証した場合は、別途、収入印紙を4万円貼らねばなりません。よって少なくとも私のような行政書士は電子的に行うのが通常と思います(4万円高い方法をわざわざ選択する理由がありません)。

行政書士や司法書士に依頼せずに自分でやる場合であっても電子的に行うことは可能です。ただ、パソコンやインターネットの知識が多少必要になります。

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posted by 高橋衛 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 個人か法人か

2011年05月22日

設立費用その1(登録免許税の続き)

Q:登録免許税のかからない法人はありますか?

A:登録免許税法は高いので、できたら払いたくありませんよね。では、登録免許税のかからない法人はあるのか、ということですが、あります。

NPO法人(特定非営利活動法人)です。NPO法人は設立時に登録免許税がかかりません。そういった意味では安く作ることの出来る法人と言ってよいでしょう。これ以外にも登録免許税をかけずに設立できる法人というものは存在しますが、考えなくて良いと思います。

昨日の追加ですが、有限責任事業組合(一般にLLPと呼ばれているもの)は、法人格はないのですが、登記することができるという珍しい形態です。このLLPを設立する際にも登録免許税がかかります。一律6万円です。

LLPは法人格はないのに、なぜ登記できるのか、ということですが、この登記は「組合契約の効力の発生の登記」といい、要するに組合契約が間違いなく行われているということを世の中に示すために行われるものと考えてください。ですから登記はするのですが、株式会社などの登記とは意味が異なります。株式会社などは登記によって新たに法人が生まれるのですが、LLPは登記しても新たに法人が生まれることはありません。LLPについてはいずれご説明します。

★当方仕事が非常に忙しいため、なかなか更新ができない状態となっています。ご了解ください。

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posted by 高橋衛 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 個人か法人か

2011年05月21日

設立費用その1(登録免許税)

Q:会社(法人)を設立するにはどれくらいお金がかかりますか?

A:非常によく聞かれる質問です。一度に全部説明しても良いのですが、長くなると読みにくいので項目別に一つづつ説明しましょう。

法人はいろんな種類がありますが、会社法上の会社(株式会社、合名、合資、合同)の場合で説明します。

まず、避けられない費用として「登録免許税」というものがあります。これはどこに支払うのでしょうか?登録免許税は国税、つまり国に対して支払います。普通、収入印紙を購入し、これを登記申請書に貼付して納めるという形をとります(現金納付も法律上可能ですが、実務上使われていません)。これを支払わずに会社を設立することはできません。必須の費用です。

税金ですから法律の根拠があります。「登録免許税法」です。ここで納めろ、と書いてあるから納める必要があります。条文を見てみましょう。

(課税の範囲)
第二条  登録免許税は、別表第一に掲げる登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明(以下「登記等」という。)について課する。


最初に「登記」とありますね。会社を設立するということ=法務局に登記を申請し、受理されることですから、支払わないといけないわけです。

金額はいくらでしょうか?これは種類によって異なります。

株式会社→最低15万円
合名会社・合資会社万円(一律)
合同会社→最低万円

最低と書いたのは、資本金の額によって異なってくるからです。株式会社の場合、登録免許税は資本金の1000分の7が原則です。ですから資本金500万円の場合、

500×0.007=3.5万円のはずですが、法律(登録免許税法)では「これによつて計算した税額が十五万円に満たないときは、申請件数一件につき十五万円」と書いてますので、3.5は15万円に満たないので、15万円になります。つまり、資本金が1円でも15万円かかるわけです。

では資本金がいくらまでなら15万円で済むのでしょうか?

15÷0.007=約2142万円。つまり2142万円までの資本金なら、資本金の額に関係なく15万円なのだということです。

合同会社の最低6万円も同様に考えてください。合同会社の場合は6÷0.007=約857万円が6万円で済む上限の資本金になります。

合名会社と合資会社は資本金の額に関係なく常に6万円です。人的なつながりを重視した、小規模な会社を想定していますので、資本金との関係性をもたせていないと考えられます。

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posted by 高橋衛 at 17:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 個人か法人か

2011年02月21日

法人の信用

Q:個人より法人の方が信用があるように思いますが、どうでしょうか?

A:確かに一般的にはそのように思われていると思います。ただ、現実的には「社長はどのような人なのか」「どのようなことをやっている会社なのか」ということが重要で、法人だから、というだけで信用してもらえるわけではありません

以前と異なり、最低資本金もなくなりましたから、たった一人で株式会社を名乗ることができるようになりましたので、株式会社=大きな組織という認識は既になくなっています。

株式会社であっても資本金が10万円などということであれば、信用してもらえるわけではないことは当然です。事実上の個人企業であることは明白ですね。

大手と取引をする場合は、法人であることを条件として求められる場合があります。このような事情から、やむを得ず法人化する方もいます。これは仕方ありません。

個人事業であっても、代表者がしっかりとしていれば、逆にへんな株式会社よりも好感をもってもらえるケースもあります

業種によっても状況が異なります。飲食店や食品関係ですと、個人か法人かはほとんど関係がありません。ところが建築業者などの場合は、法人の方が信用してもらえると思います。

おおまかに言うと、飲食を含めたサービス業は個人か法人かはほとんど関係がなく、製造業や何らかの物を作り上げるよう場合(除く食品)は法人の方がよいと思われます。医院が医療法人かどうかを気にする人はいないと思いますが、リフォームをしようというときは法人かどうかを気にする人が多いでしょう。

ただいずれにせよ、結局の所、形式だけで信用が得られることはないということは知っておいた方が良いでしょう。ただ大手と取引をする場合、金融機関と取引する場合は、法人格があった方が有利ということは言えると思われます。しかし、これも絶対ではありません。若干有利という具合に考えておけばよいでしょう。

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posted by 高橋衛 at 21:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 個人か法人か

2011年02月19日

法人にすべきか?

Q:最初から法人にした方が良いでしょうか?

A:株式会社などの法人は事業開始当初から法人である場合と、後日法人になる場合の二つがあります。

後日法人になる、というのは、当初個人として事業を開始し、後ほど法人化するということで、一般的には「法人成り」と呼ばれています。

法人と個人との違いは非常に多岐に亘ります。どちらが良い、などと一概に決定できるものではありません。いろんな側面から検討する必要があります。

最初に理解していただきたいのは、個人だろうと法人だろうと、明確な理念があり、世のため人のためになる真っ当な事業であれば、うまくいくわけです。まず重要なのは事業そのものであるということです。

事業そのものに問題があれば、個人であろうと法人であろうとうまくいかないことは同じです。そういう意味においては個人か法人か、という選択は、経営のあるべき姿を追求する際には、本質的な議論にはなりえない話題です。

例えば繁盛しているラーメン屋さんはすべて法人なのでしょうか?そのようなことはないですね。個人であろうが法人であろうが、ラーメンがおいしいか否かが重要なわけです。

乱暴に言ってしまえば、どちらでも良いといっても過言ではありません。もちろん運営上、多くの違いが生じることは間違いありませんので、きちんと両者の違いは知っておく必要があります。

繰り返しますが、個人だからうまくいかないとか、法人だからうまくいくなどということは絶対にありません。

実際に開業する際には悩む人が多いと思いますが、わからなければ、個人からスタートすれば良いと考えてもらって構いません。後から法人にすることもできるのですから心配に及びません。

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posted by 高橋衛 at 15:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 個人か法人か